研究情報

ガンに対する免疫療法として、IL-12産生促進剤を投与してTh1型免疫応答を誘導する方法、またIFN-γなどのTh1型サイトカインを投与する方法などがあります。いずれも、Th1型免疫応答を高めることにより、ガン細胞の排除に働くNK細胞や細胞障害性T細胞を活性化することを目的としています。HK L-137は、IL-12やIFN-γ産生を促進し、Th1型免疫応答を誘導するため、抗ガン効果が期待できます。

そこで、ガン細胞を移植したマウスにHK L-137を投与し、生存期間を観察しました。その結果、HK L-137を投与したマウスでは、生存率の改善や生存期間の延長が認められ、抗ガン効果が確認されました。

マウスの腹腔内にガン細胞を移植してその後の生存状況を観察しました。

試験群には、ガン移植後7日目から連続して5日間にわたり、0.5 mg のHK L-137 を腹腔内投与しました。

ガン細胞の増殖によるガンの肥大が体重増加に反映されましたが、対照群に比べ、HK L-137投与群ではその増加が抑えられました。移植後23日目には、対照群では全例の死亡が確認されましたが、HK L-137投与群ではその時点で死亡例はありませんでした。その後、HK L-137を投与したマウスにも死亡例が観察されましたが、試験終了時の移植後60日目でも4割のマウスが生存していました。

ガン細胞の多くは、免疫機能を抑制する能力を備えており、これが免疫細胞からの攻撃を回避する戦略の一つとなっています。

HK L-137はIL-12産生を促進し、Th1型免疫応答を誘導します。すなわち、HK L-137は抑制状態にあるTh1型免疫応答を活性化させることでガン細胞の排除を促進し、生存率の改善や延命効果を示したと考えられます。

出典:Cancer Immunol Immunother 49: 157-164, 2000

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