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研究情報

インフルエンザ感染防御効果2009年論文発表 in vivo試験(マウス)

HK L-137は、マクロファージや樹状細胞のTh1型サイトカインの産生を促進します。このサイトカインが司るTh1型免疫は、ウイルスの感染防御に対して中心的に働く免疫です。HK L-137は、Th1型免疫の増強作用を有するため、ウイルス感染防御効果が期待されました。

そこで、マウスにHK L-137を経口投与し、インフルエンザ感染に対する有効性を評価しました。

その結果、HK L-137投与群では、ウイルスや細菌などの感染に対する初期防御において非常に重要なサイトカインである"IFN- β"が盛んに分泌され、強毒性のインフルエンザウイルスに感染したマウスの生存期間が延長しました。

方法

マウスに致死量(100個)の強毒性インフルエンザウイルスを経鼻接種し、血清中IFN-β濃度、肺組織中のウイルス数、生存期間を調べました。HK L-137群には、試験開始7日前から7日後までの15日間、体重kg当り75 mgのHK L-137を経口投与しました。

結果

対照群では、血清中にIFN-βが検出されませんでしたが、HK L-137投与群では高い値を示しました。また、HK L-137投与群では、肺のウイルス数が大幅に減少しており、生存期間も延長しました。

感染後の日数

インフルエンザ感染後の
血清中IFN-β濃度
対照群では検出されませんでしたが、HK L-137を与えたマウスでは高い値を示しました。

感染後の日数

肺組織中の
インフルエンザウイルス数

HK L-137の投与により、インフルエンザウイルスの増加が大幅に抑えられました。

感染後の日数

インフルエンザ感染後の生存期間
HK L-137の投与により、ウイルス感染後の生存期間が延長しました。

考察

HK L-137の投与により、感染後のインフルエンザウイルスの増殖が抑えられ、結果としてマウスの生存期間が延長したと考えられます。HK L-137は、感染初期にIFN-β産生を強く誘導することで、ウイルスの増殖を抑えた可能性が考えられます。

インフルエンザウイルスは免疫細胞のIFN産生を抑制することにより感染を拡大させます。HK L-137は、強毒性のウイルス感染に対してもIFN-β産生を強く誘導しているため、インフルエンザウイルス感染の予防、特に初期防御に有効であると考えられます。

出典:Int Immunopharmacol 9: 1122-1125, (2009年)

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